心ここにあらず
2019年4月15日
新しい年度が始まると、日々、加速度的に忙しさが増していきます。
日々の生活の行いは全て「自分の選択」とは思いつつも、四の五の言っていられない状況に置かれると、次々にクリアしなければならないタスクが押し寄せてきます。
ある日、私は頭を抱えながら、“あー、頭の中がパンパンだー”とつぶやいていました。
色んなことが頭の中を占領し、ひしめき合っています。
どうにか整理したくて、考えようとはするのですが、同時に気になることが、いくつも頭に浮かんできてしまって、何をどこから考えていいのやら、という状態になっていました。
これでは前に進めないと思い、ちょっと立ち止まり、アロマを焚きながら呼吸法を試みました。
呼吸や香りに意識を向けながらも、気になることが次々と頭に浮かんで来るのですが、考えは浮かんでくるままにしながら、その都度、香りと呼吸に意識を戻し続けます。
そのうちにふと、頭が空っぽになった感覚とともに重かった肩や背中が軽く感じられ、すっきりとした気分になりました。
そこで、温かいお茶をじっくりと味わいながら一服。
自分の五感を目の前のお茶のことだけで満たします。
お茶の色、香り、苦み、温かさ、湯気が頬に触れる感覚、カップを持つ手のぬくもり、カップに触れる感覚、そして口の中全体が温かいお茶で満たされ、喉を通り胃へと運ばれていく…。
ざわざわしていた気持ちと疲れた身体を温かく緩めてくれるこの時間への感謝。
日頃はパソコンに向かいながら、ただ口の渇きを満たすために何気なく飲んでいるお茶と五感で向き合い、気持ちを満たすことで、日々のざわざわした感覚から少しの間、離れ、すっきりとした気分を味わうことができました。
忙しい毎日ですが、様々な場面で、短くても、深く豊かに感じられるマインドフルな時間を大事にして過ごしてみたいな、と思っています。
心理 原
