認知症の健康診断
2021年12月17日
部屋に物を取りに来て、はて?
私、今何を取りに来たんだっけ?
えーっと、あれ、何ていうんだっけ、あの、ほら、あれ。
最近の私はもの忘れに拍車がかかり、
とうとう先日は
こともあろうか、休診日なのにいつも通りニコニコと家を出てクリニックに出勤してしまいました。
いやぁ慌てました。
さすがに自分でも心配になっていたところ、
タイムリーに区から「脳の健康測定」の受診票が送られてきました。
やったことない!やってみたい!
今年からの新事業らしく、今受ければ一期生♪(?)とばかりに
新しもの好きな私はわくわくしながら受診してきました。
訪れてみたところ、そこは
記憶力・集中力の検査やら、医師の細かな問診、生活習慣指導、栄養改善個別指導、
口腔ケアに運動トレーナーまで付いており
イベント会場さながら。
どれだけ予算を注ぎ込んだんだ・・と思いながら、
行政の力の入れように驚きました。
第一回目ということもあり、総勢のスタッフに対して受診者がとても少なく
客席がまばらなコンサートにうっかり来てしまったかのような妙な圧力があるものの、
スタッフの皆さまが手厚く調べてくださいました。
さっそく始めたのは認知症テスト。
タブレットを渡されて、何やら図形だの数字だのクイズだのゲームのようなものを
結構長いい時間かけて、一人やりました。
これ、いったい何時に終わるの・・
やっているうちに、私の負けず嫌いの性格が出たのでしょうね。
最後はむきになってタブレットを連打し続け、息を弾ませ
達成感と共に完全攻略を果たしました。
後ろで終わるのを待っていたスタッフさんが、タブレットに取り組む私の前のめりな姿にちょっと引いていた気がしました(笑)
それを元に今の認知度や生活習慣、困っていることなど細かく聞き取って頂き、
食事のしかた、歯の磨き方、運動とミニレッスンなど終わった時は2時間ほど経過していました。
認知検査で現年齢よりも10歳若い!とタブレットが判定してくれて、
私はすっかり大喜び。
そりゃ、あんなにむきになって真剣にやっている方いなかったもんな。
まるでゲーマーのようで、一人浮いていましたから。
あぁ楽しかった。
2025年には65歳以上の5人に1人がなると言われている認知症。
2050年には今の3倍になるんだそう。他人ごとではない・・
今は、将来65歳を過ぎてから認知症になるリスクがどれだけあるのかがわかる検査も実費ですがあるそう。
今度はこの検査を狙っています(笑)
これから新薬やワクチン開発の話もあるらしく、暗い将来ばかりではないようです。
50歳になったら認知症予防のワクチン接種ってすごい話です。
何より、もし認知症になったとしても、あきらめなくていい。
自分の時間を楽しむことが、結果良い方向に病状を変えていってくれる事実があるんだそう。
私の父も認知症を発症していたので、その病の残酷さや周りの気苦労がわかっているつもりでした。
でも、当の本人が自分に一番がっかりしてたであろう、と今、自分がこの歳になってから思い当たります。
自分が壊れていってしまうかもしれない怖さや
老人特有の面倒くさがりをどうやって克服し楽しめる時間を過ごしていけるのか。
歳を重ねて生きる私たち誰もが持っている課題なのかもしれませんね。
ああ、今年の私は自分の時間を楽しめていたのかしら。
何をすることもなく一年を過ごし、師走を迎えてしまったような気がしています。
一年の締めくくりの日が迫る中
来年の目標でもゆっくりたてて過ごしたいと思います。
受付 菊地