クリニックブログ

夏目友人帳の世界
2022年5月23日

皆さま、夏目友人帳という漫画をご存知でしょうか?猫好き、妖好きにはたまらない、家宝となり得る作品です。主人猫のニャンコ先生が絶望的に可愛い過ぎるのです。

簡単にストーリーを説明すると、幼少時に両親を亡くした少年が、祖母譲りの人には見えない妖を見る強い能力を持っていた為、どこへ行くにも嘘つき・変人呼ばわりをされ、親戚中をたらい回しになり幸せとは言えない日々を過ごしています。ところが心優しい遠縁の親戚夫婦に引き取られ、物語の舞台となる田舎町に引っ越して来てからその世界が一変します。

祖母から受け継いだ妖の名を縛る友人帳、大妖斑の封印元であった招き猫の風体に馴染み過ぎたニャンコ先生との出会い、妖や人間の友人と育くんでいく友情、様々な経験を通して主人公たちが成長していく物語です。

ニャンコ先生の見た目もさることながら、美味しいものとお酒が大好きで、自分の欲望に貪欲な様、おっさんのような語り口調、ところどころで主人公の少年を観察する眼差し、その一挙手一投足が見逃せない、本当に魅力的なキャラクターとなっています。

このような素晴らしい漫画を創り上げる作者の先生は、私にとって言わば神様のような存在で、この世で一番尊敬する人物かもしれません。

私は残念ながら妖とチャンネルを合わせることはできず、見たことも感じたこともないのですが、人と語り合う中で時々「ああ、見えているものが全然違うのだな」と感じることはあります。

それはめぐみクリニックのちいさな世界の中でもちょこちょこ発生します。私は無意識に食べ物屋で地図を覚える癖があり「マックの横を右に、あの食べ物屋さんが連なっている通り、コージーコーナーの先に」などと説明することが多いのですが、食べ物に興味がない人には一切分かって貰えません。私の頭の中にある地図と完全に異なる地図を持った人がこの世には存在するのです。同様にその人の地図で説明されても私には分かりません。

今挙げた例はとても些細なことで、二人で笑っておしまいで済みますが、このズレは大きな問題にも発展する可能性があると思っています。

自分と、自分以外の人が見ている世界は違う。

このことをほんの少し意識しながら生きていくと何かが変わるかな、と夏目友人帳を読んでいて思いました。

もし興味があれば、ぜひ皆さまも読んでみてください。よろしければレンタルも受け付けています。※古本屋で購入したものなので気にならない方に限りますが。

受付 米田より