幸せを味わう方法
2016年1月18日
鏡を開いて、ようやくお正月から日常がもどってきましたね。
めぐみクリニックも、新しい一年がはじまりました。
先日、めぐみクリニックでは華やかに新年会が開かれました。
私はめぐみクリニックに務めて以来ずっと、幸せなことに食の感動をはじめて体験させて頂いております。
本来、おなかがすかないように食べる・・という身もふたもない習慣が基本だった私。
恥ずかしながら、日本の食文化がこんなに奥深いものとは知りませんでした。
「なに、このダシは?」「この舌ざわりのなめらかなこと・・!」「美術品みたい~」
スタッフ同士でワイワイ言いながら、五感がフル回転です。
お料理はどれもお正月らしく、水引き、折鶴、松葉、千両、ゆずり葉と、あちこちに旬の気持ちが宿り、
ふきのとうや若たけの春の走りがそっと添えられて、
遊び心いっぱいのかるたの器、雪に見立てたメレンゲと、楽しいことこの上ない一皿です。
どれも「今、この時」の旬を楽しみ、「ちょっと先に来る時」に気持ちを向ける感覚にあふれていました。
あぁ、幸せ・・・。しかも、うんとhappy。
自然と気持ちが上がってくるのがわかります。
楽しい時を過ごしながら、この「今」と「この先」を感覚で掴むことは、もしかしたら昔からの「幸せを味わう方法」なのかもしれないなぁ・・
と感じました。
私は着物を着るのですが、「今」と「先の季節感」を考えるルールがあり、この感覚に似ています。
今しか着れない旬の柄ゆきや、ちょっと季節を先取りの小物など、合わせてはひっこめ、大先輩に厳しいご指摘を受けないようにうんうん考える時、こんな感覚があるのです。
確かにこのルールは時にめんどくさく、正直、辟易とするところでもありました。
ただ、あぁ、もうすぐ軽ろやかな単衣物だな、あとちょっとたったら涼やかな絽の帯に変えよう、夏にかかる一瞬の蒸し暑さに透ける紗袷せで・・など、「今」と「この先」を意識するとき、なんとなく気持ちがあがるのです。
これはひょっとして先人達の知恵なのではないかしら?
「今、この時」にこだわる心構え。
「ちょっとこの先の季節」の時間に思いをはせるこころの向け方。
それは実は日々を心穏やかに健やかに安定させるコツなのかもしれません。
菊地