クリニックブログ

今も昔も
2017年10月19日

暑さが一段落、と思ったら急激な気温の下げ、と体調管理が難しいこのごろですね。

人生晴れる日もあれば曇る日もある。

そうわかっていても、気分が落ち込んだりする事柄に出会うと、もう雨ばっかりで・・と愚痴のひとつも言いたくなりますね。

 

さて先日、私は初めて、雅楽の演奏会に行きました。

雅楽と聞いても私は全くの無知で、あの、初詣の神社でよくスピーカーから流れている?あれよね?ぐらいしかわからず、実際に何の楽器であの音楽を演奏しているのかも知りませんでした。

私が聴かせて頂いたのは、笙(しょう)と篳篥(ひちりき)と竜笛(りゅうてき)という、3つの笛による演奏です。

 

笙(しょう)の笛は、雅楽と言えば真っ先に連想する、あの面白い形をした細い竹を組み合わせた楽器です。

両手にすっぽりはまる小さな楽器なのですが、音色を聞いてびっくり。

何層にも音色が合わさり、ちょっとしたオーケストラのように音が重なり合って、とてもひとつの楽器から出ているとは思えないほど大きな音です。

東洋のパイプオルガンと言われるのだと説明されましたが、まさに小さなパイプオルガンです。

 

篳篥(ひちりき)の笛はこれまた、両手のひらに納まるほど小さな小さな楽器なのですが、驚くほどの大音響でしっかりと響き渡ります。

聞けば、葦(よし)を材料にしたリードを使って音を重厚に響かせているそうです。

 

竜笛(りゅうてき)は、ぱっと見は単なる横笛なのですが、これまた漆を塗ったり鉛を使っていたりと見かけによらすずっしりとしていて、なんとも言えない音色で、竜の鳴き声・・と言われると、そうかも・・と納得してしまう美しい響きです。

 

さて、この雅楽ですが、笙(しょう)は天の光を表わし、篳篥(ひちりき)は地上の人の声を表わし、竜笛(りゅてき)は天と地を舞い立ち昇り二つをつなぐもの、を表わしているそうです。

天と地上の人の声を竜が空を昇り繋げていく様子だそうです。

 

全く専門の知識もなく、ただ聴き入るだけでしたが、1200年も前から、人の願う気持ちには、今も昔も変わりがないのだなぁ、と何かほっとした気持ちになりました。

 

今までなじみのないジャンルの音楽でしたが、触れてみるととても心地のよいものでした。

今回はたまたま雅楽でしたが、皆さまも芸術の秋、知らない世界を覗いてみてはいかがでしょうか。

素直な発見があるかもしれませんね。

 

受付 菊地