クリニックブログ

命の強さ
2018年10月31日

 

こんにちは。受付米田です。

 

少し前に我が家の黒猫くんが歯周病で全抜歯をしたことについてお話ししましたが、やっと落ち着いてきたかと思った矢先、今度は急性腎不全からの慢性腎不全を起こし、最近まで生死の境をさまよっていました。

 

猫は腎臓を悪くしやすい動物だと分かってはいましたが、まだ11歳とそれほど年老いているとも思っていなかったので発症した際はうろたえました。しばらく自宅での投薬と輸液で様子を見ていましたが、数値が振りきれるほど悪化した為、仕方なく10日ほど入院させることになりました。

 

最近の研究で猫は10歳前後に一度急性腎不全を起こし、その後落ち着いてゆっくりと分からないように機能が低下していくことが多い、という説が発表されたそうです。我が家の黒猫くんは元々小食なので体重も少なく、更に抜歯の時に全身麻酔など様々な薬やストレスに曝された為、免疫力も弱く、急性的に悪化した後持ちこたえる力がなかったのでしょう。

 

半年前に血液検査等を行った際は数値に異常は見られませんでした。

ですので本当に急に発症~末期にまで至ったことになります。

 

 先生曰く、10歳を超えた猫は半年に1度くらいの頻度で検査をした方がいいそうです。しかし、我が家のように半年の間で急激に発症、悪化することもあるので、なかなか難しいところですね。少しでもおかしいと思ったらすぐに病院に連れていくことしかできることはないような気がします。

 

入院させてから色々な処置をして頂いたのですが、腎臓関連の値も計測できるくらいまでは下がったものの、正常値とはほど遠いものでした。「退院」=「覚悟を決めること」でしたので、入院を継続させるか家に連れて帰るかとても悩みました。しかし最後はやはり皆と一緒に穏やかに過ごして欲しいという思いが強く、退院させることにしました。

 

先生からもしかしたら‟1週間ほど”と言われていたので覚悟はしていたのですが

実際我が家に戻ってきた黒猫くんは痩せ細ってフラフラはしているものの、自分でご飯も食べ、トイレまで歩いておしっこもうんちもきっちりして、ぐんぐん元気を取り戻しているように思えます。筋力も落ちて退院当初はベッドに飛び乗ることさえできなくなっていたのに、ひょいと飛び乗ります。

 

入院前は1日中ぼんやりして生気が薄くなっていくような恐怖を感じていましたが、今はパワーがみなぎっていて熱風でも吹いているのかと思うほどの熱気を感じます。こんな小さな身体をしているのに、なんて大きくて健気で真っすぐなのだろう、と「命の強さ・尊さ」に日々感動し、感謝しています。

 

そんな訳で我が家の黒猫くんは、まだまだ元気に過ごしてくれそうです。

 

10歳前後の猫ちゃんと暮らしている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度検査に連れて行かれてみてはいかがでしょうか?腎不全は末期になるまで表立った症状は出てこないので心配を取り除くためにも、後悔しないためにも有効な手段だと思います。