豊かな時代
2019年9月7日
先日、海外に住んでいる友達が、日本に帰国した時の事です。
「日本はすごいね、薬局の壁一面に、こんなに色とりどりのシャンプーが並んでいるんだものね。子供用シャンプーだけでも、何種類あるのかって思う」と話してくれました。
友人が住んでいるのは田舎ではなくイギリスの中心部なので、私は少し驚きました。
向こうにはこんなに多種類のシャンプーは、大人用も子供用もお店に並ばないのだそうです。
「海外は思ったよりも、結構質素だよ。日本はすごいよ」
横で聞いていた母が、「私が子育てした時は、シャンプーといえば〇〇、石鹸と言えば○○、それしかなかったから。大人も子供も一緒の使ってたよ。何かいけないの?」と笑っていました。
私達の時代は子どもを取り巻く環境が、自分の親の時代とは大きく異なっています。しかも、現代においても海外の都市部と比べても格段に日本は選択肢が多いらしいのです。
商品に限らず情報も多くなりました。
今日のニュースは、紙ベースの新聞だけでなく、ネットを検索すれば、多岐にわたり出てきます。
困ったとき、頼りになるのはマニュアル系の情報で、ネットで検索して即解決。
美味しいものを食べたい時にも、来店しなくても、味、値段、店の雰囲気、裏メニューに至るまで、沢山の情報を得られます。
すばらしい豊かな環境。
とても便利で何より楽しい!
これは、未熟な子どもにとってどの様な環境なのでしょうか。
私の子どもは、なんでもわからないことはネットで検索します。
親の目から見て、こういうことかな?何故かな?と考える力を、自ら放棄しているように映ります。
加えて、子どもは大人より衝動性が高い。
見たもの、聞いたもの、楽しいものをそのまま鵜呑みにし、つられてどんな罠にはまるかわからない。
親にとっても心配な時代になりましたが、きっと、この時代を安全に乗り切る子どもたちのほうが、もっと大変な気がします。
自制心を養ってほしい。それをどうやって教えていけるのか。
実際、大人の私は子どもの前でどれだけ我慢しているかしら、と考えてしまいました。
欲しいものをネットで検索し、ポチっと押せば翌日に手に届く時代。高ければ、どこよりも安い商品をいち早く検索できる時代。
利便性、スピード、多様なニーズ。
当たり前のように、その楽しさにのみ込まれているのは、実際は親の私なのかも?
便利なツールや環境を手放す気にはなれませんが、
賢い付き合い方をきちんと親の私が示さないといけないのかもしれません。
親の自制心が先なのか、、、頭の痛い話です。
受付 菊地