良いストレス・悪いストレス
2019年11月2日
「ストレス」には、モチベーションをアップしてくれたり、自分の成長につながるような“良いストレス”と、なかなか結果の出ない状況が続いたり、苦痛の大きい状態が続いて心身にネガティブな影響が生じてしまう“悪いストレス”、両方の側面があります。
私がストレスケアとして大切にしていることは、①自分にとってストレスになっている事柄にいち早く気づくこと、②休息を十分に確保すること、③身の回りのストレス因をよく検証して、減らせるものは減らし、自分にとって重要なものを優先すること、④自分を労わって、気持ちが満たされる時間を大切にすること、です。④については、このブログでも何度か書いてきましたが、呼吸法やマインドフルネスの考え方が、自分にはとても役立っていると感じています。目の前のことにじっくりと向き合いながら様々な気づきを得ることが、ささやかな楽しみや幸せにつながり、気持ちが満たされます。そして、私の⑤番目のストレスケアは、ストレスとなる事柄のもつ自分にとっての“意味”を考えること、です。
先日、必要に迫られて、久しぶりに毛筆と墨で文字を書きました。うまく筆が使えず苦しい思いをしましたが、墨の香り、筆や硯の感触、真っ白な紙に向かう心地よい緊張感…、なかなか楽しい時間でした。子どもの頃を思い出したり、それをお渡しする方への感謝の気持ちであったり、様々な思いを喚起されながら、一心に紙に向かいました。結果として、思うように上手くは書けず、少なからずストレス因となる出来事ではありましたが、取り組んだ時間や過程は、自分にとって“良いストレス”と思えるものでした。
自分に与えられた課題は、その課題にどんな意味を見出せるか、捉え方や取り組み方次第で、悪いストレスにもなれば、良いストレスにもなり得ます。せっかく自分の時間と心身のエネルギーを注ぐのならば、できるだけ“良いストレス”となるよう、少々苦しいことにも自分にとっての意味を見出しつつ、日々、試行錯誤を楽しみながら取り組んでいきたいと思っています。
(心理 原)
写真は今年9月に訪れた大雪山旭岳です。カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)と呼ばれる標高1600mのこの場所まで、ロープウェイで登ることができます。雄大な大雪山の姿が青空に映え、足元にはこれまで見たこともない可愛らしい高山植物が咲いていました。またいつか、訪れてみたい場所です。