年忘れ
2019年12月16日
今年もいよいよ押し迫ってきましたね。
皆さんにとってこの一年はどんな年だったでしょうか?
『年忘れ』という言葉をよく聞くこの時期ですが、
これは「一年の苦労を労い、忘れる」ことを指すそうです。
私はファシリテーターをしているので
苦労を労うのは、振り返りとしても重要で、何事も受け入れて
前に進む時に欠かせないものだと認識しています。
振り返りは、客観的な視点も持つことができ、
起こった出来事を整理するのにも役立ちます。
さて、そこまではお手伝いできるのですが、その先の『忘れる』は本人任せの部分です。
実際、私自身も若いころは『忘れる』ことが得意ではなく、
辛かったこと、失敗したこと、悔やまれることの大部分を嫌になるくらい覚えていました。(笑)
ここ最近は、寄る年波が幸いし、やけに忘れっぽくなりましたが。。
皆さんも、辛い経験を、録画したように再生→巻き戻し→再生を重ねた経験はありませんか?
振り返りができ、整理がついてくると、ある程度出来事に距離を置けるようになり、前に進めるようになりますが、
時として、再生→巻き戻しの無限ループに捕まってしまう場合もあります。
物事をしなやかな枝のように受け止めるのは
真面目な人ほど、それが難しいのかもしれません。
真面目ならではの、まっすぐで硬い折れやすい枝を持っているのです。
今は生きづらい時代と表現されます。
個人が失敗しないノウハウはネットにあふれているし、
企業は時代による透明性を迫られ、不祥事があれば完璧な謝罪を求められます。ある意味正しい世界観ですが、昔に比べて、面白みのある大人物が少なくなったように感じます。
私は親という立場でもありますが、
苦い経験、失敗は何度したっていい!
そう言い切って許してくれる遊びのある大人たちがいなくなったように感じます。
間違いを恐れて小さくミニマムに生活するよりも、
失敗を恐れず、うるさい外野の言動をある程度右から左に聞き流し、
失敗を悔やんで無限ループにはまりそうな自分を
『それじゃあ、だってつまんないじゃん!』
と言ってみることができる。
人生一度きり、生まれてきたからには楽しくなくっちゃと、面白いことを探して張り切る。
そんな可愛げのある不真面目さが、逆に、今の時代を生き抜くのには必要なのかもしれません。
それが、強く、明るく、たくましく、の秘訣です。
こどもは決して『小さな大人』ではありません。
そして、かくいう大人も、完璧な人ではありません。
さて、今年も残るところ2週間。
私もこの一年の様々な失敗を、いい塩梅に不真面目に笑い飛ばして、
すっきりと『年忘れ』を致しましょう。
受付 菊地