クリニックブログ

コロナの時代
2020年3月26日

オリンピックも延期のようで、最近はコロナショックで生活が落ち着きませんね。
私は消毒魔になってしまうのでは?と思うぐらいになっており、息子に大袈裟!とからかわれております。

こんな何かと不安な世の中ですが、嫌なことだけではないような気がしています。

我が家では今回の休校に伴い、何を考えているのか分からない思春期の息子と、いやがおうでも家で過ごす時間が増えました。
その、何が困るって、、、

なんと言っても、我が家は『三度三度のごはん』でした。
なんせ、あの子たちは何処にも行かず家にずっと居て、3食きっちり食べるのです
『いや、3回飯食うの、それ当たり前だし!』と息子に直球で言われましたが、、。

私はこの3食出さねばいけない事態をどうにか回避すべく、ピンチをチャンスに、なるべくギリギリまで子どもを空腹でゴロゴロさせておきました。
おなかがすいた~と言われたら、、、

『えー??ぜんぜんできてないよ~どうしよっか』
すっとぼけて、『わー大変大変、手伝って~』と慌てて台所に追い込みます。

『空腹で困る』→
『手伝えばそれだけ早く俺は飯にありつける』→
『めんどくせーな、しかし腹が減った』→
『ったく使えない親だな、』→
『しょーがねーな、俺様が手伝ってやるか』→
『手が濡れるな』→
『工作みたいだな』→
『案外面白れ~なんで色変わんだよ』→
『これ見たことある、出来上がってんじゃん!』→
『いい匂い!』→
『うめぇ!これ』→
『すごいじゃん、俺が作った(ほとんど母じゃ)』→
『俺ってイケテル』→
『彼女に報告しちゃお~』→
『(異常にほめられ)いやいや、料理、、つくんの、普通でしょ?』

ま、いっちょうあがり(笑)

いつの間にか、料理にどんな手間がかかるのか、何を使うとあの味になるのか、あれを作るには何がいるのか、料理のカンがついてきました。
いつか独り立ちする日の助けになってくれたらなぁ、と思います。

こうして子どもたちが家にこもりっきりで不安な中でも、
どうにかこうにか、知恵をしぼって母は生き抜きたい(笑)と思います。

他にもコロナの時代に良いことが。

空気汚染がひどくスモッグに霞む姿が有名な上海タワーが、今ではくっきりはっきり見えるそうです。
ベネチアの運河では、濁った水が透き通り、魚が泳ぐ姿が見えるそう。
ここにきて、まさかのCo2削減ですね。

クリニックの受付で、ある患者さんがお話しくださったことが、とても心に響きました。
「最近、近所の川沿いを幾つものご家族がのんびり歩いているのをよく見かけるようになりました。
家族が、手をつないで木々を愛でている姿、昔はよく見る光景で、なんだか懐かしかった。
暗い時期にも良いことがあるんだな、って嬉しくなりました。」とお話しして下さいました。

このコロナの時代、私たちが忘れかけていたものを、思いおこさせてくれたのかもしれないな、
と、自分をそっと振り返る日になりました。

菊地

クリニックからの風景