休眠打破
2015年2月27日
こんにちは。受付の菊地です。
梅は咲いたか~桜はまだかいな♪とは、こんな時期ですね。
私は結構、植物好きです。
皆さんは「休眠打破」という言葉をご存じでしょうか。
桜は去年の夏にもう翌年の花芽をつけているのですが、そこで花芽は休眠します。
そして冬、一定期間の寒さを体験し、急激な温度変化をきっかけに永い眠りから覚めるのです。
厳しい寒さと変化。
つらく過酷な状況が、実は眠りを打破するスイッチになるのです。
ここ数日の寒暖の差は、桜に必要なんですね。
お正月、桜の時期でもないのに、料亭やホテルのロビーに生け花の桜を見かけたことはありませんか?
お花屋さんは、桜の枝を切って、何日か冷蔵庫に入れておき、人口の極寒の冬を体験させて開花のタイミングを桜に知らせているのです。
桜の性質をうまく利用して、頃合いよく、お正月に合わせているのですね。
このスイッチをつかい、何千年も経て、永い眠りから覚めて、種子を存続させた植物もあります。
遺跡で見つかってみごとに現代に蘇った世界最古の花、大賀ハス、
平等院から見つかった室町椿、
王家の墓から発見されたツタンカーメンのえんどう豆などが有名どころです。
冬、植物の種子は暗い地面にたくさんおります。
親からもらった養分をつかい、今の自分の持てる力で発芽して、
双葉のみで光合成をし、自らエネルギーを生み出し自立してゆく。
果たして今の状態でイケるのか・・??と、
真っ暗な中で、彼らは考えているのです。
外気との温度差で地面と自分との距離をおし測り、厳しい時期はじっと種でやり過ごす。
ただぼんやりしているようで、活動している。
自然と生き延びる知恵比べをしているのです。
そのしなやかさに、何か力をもらえる気持ちがしてきませんか?
めぐみクリニックの前の桜も、今は寒々とした枝振りですが、長い冬をたっぷりと味わって、
花を咲かせるタイミングを息をひそめて数えています。
今から診療室の窓辺のにぎやかさが楽しみです。
受付 菊地
PS:
茗荷谷駅前の春日通りを小石川に向かうと、桜の名所、播磨坂桜並木があります。なだらかな桜並木の坂の途中にある、イタリアンのテラス席がお勧めです。
大賀ハス