クリニックブログ

自分を知る
2023年4月17日

今年の春は桜の時期の天気が悪く、あっという間に花が散ってしまいました。今はもう葉桜で季節の移り変わりは早いなぁと感じています。

4月は変化が多い季節です。入園・入学・進級・就職・転職等々。私は自分に何の変化がなくてもこの時期は落ち着かず、GW明けくらいからやっと落ち着いた気分になります。反対にこの時期はワクワク楽しい気分になる方もいるでしょう。そういう自分の特徴は知っておくと色々と有用です。時に「自分のことはよく分かっています。」とおっしゃる方がいますが、そういう方でも、もう少し詳しく知ると助けになることが多い気がします。

知人で躁鬱傾向のある人がいますが、その人は夏に躁状態になることが多くあります。その人は落ち着いている時には冷静な人なので、どういう状況だと調子が崩れるかをよく考え、たどり着いた結論は、「夏」+「新しい仕事が入る」+「趣味で予定がたくさん入る」+「家族内の関係が悪くなる」→躁状態、ということでした。なので、自分のコントロールができるところで、夏には出来るだけ新規の仕事が入らないように工夫をし、その時期は趣味の交友関係も夜遅くなるような付き合いは避け、疲れをためないよう工夫をしています。それでもややテンションが高くなる時はあるようですが、ご家族がそのような傾向を理解しているので、「今回の趣味の会はキャンセルしたら?」「疲れているようだから早めに休んだら?」等々声かけをして、以前のような躁状態は避けられているようです。

自分がどんな時にどのようになりやすいか、というようなことは、大よそのところは皆理解していると思います。ただ、もう1歩踏み込んで理解していると、色々な対策が立てやすいように思います。怒りっぽいことを自認している人は、もう一歩踏み込んで、どんな時に腹が立ちやすいか、反対に同じような事態になってもイライラしない時はどんな状況なのか、などを分かっていると、自分の怒りをコントロールしやすくなってくると思います。

自分を理解する、などというと大げさな感じがしますが、ちょっと踏み込んで考えるだけで随分と違ってきます。日常生活を送っていると慌ただしく目の前のことに対処していて終わってしまいますが、一息ついて立ち止まり、そんなことを考えてみるとよいのではないでしょうか。

  

心理・磯田